【 じょにぃとぼぶと、だぐらす先生 】
◆LBPyCcG946




21 名前:No.6 じょにぃとぼぶと、だぐらす先生1/5 ◇LBPyCcG946 投稿日:2008/06/01(日) 22:06:44 [ 52IXChw. ]
 時は現代、場所はあめりか。う゛ぁーじにあ州、りっちもんど。特にこれといった特徴のねえ街で、田舎じ
ゃねえが、大都会って訳でもねえ。びるも建ってるが自然も残ってる。ま、場所の紹介はこんな所だろうな。
 さて、ここに一人の青年がいる。名をじょん・まくれーがーと言い、友人からはじょにぃの愛称で呼ばれて
いるそうだ。
 じょにぃは毎日、はいすくーるに通っている。朝は遅刻ぎりぎりの所で支度して、おーとみーる食べて、ま
まの頬に軽くきすして出発だ。すくーるばすの時間にどうにか間に合ったじょにぃは、友達のぼぶと合流。ぼ
ぶはじょにぃの親友で、黒人だがとにかくもてる。高校生ながら髭を生やし、大人の魅力たっぷりと言った所
だぁな。ここでじょにぃの台詞。
「よう、ぼぶ。危うくまた遅刻するところだった」
「ああ、危なかったな。お前さん、昨日先生に、『次遅刻したら鼻からすぱげってぃー食ってやらあ』って大
見得切ったばかりだものな」
「そんな事言ったかね。覚えてねえや」
「いーや、おりゃはっきりと覚えてるよ。だぐらす先生は鬼だからな、ひょっとしたらもう鼻からすぱげって
ぃー食う機械を用意してるかもしれねえな」
「そいつぁ怖いな」
 そんな他愛のねえ会話を交わしながら、着いたのは2人の通うはいすくーる。と、同時に始業の鐘が鳴る。
「いけねっ。走るぜぼぶ」
「合点承知」
 じょにぃとぼぶの一日の始まり始まり。一時限目、早速だぐらす先生の数学の授業。
「おうおうじょにぃ、今日はちゃんと遅刻せず着たんだな、こいつぁ驚いた」
「へへ、いつもすいやせん」
「せっかく鼻からすぱげってぃー食べる機械用意してたのに無駄になっちまったよ」
「勘弁しておくんなせえ」
 ひとつ笑いの起きる教室。いつもの朝の光景。
 つらつらうとうとと授業は退屈なまま進んで、そろそろ皆の集中力が切れたかって頃、だぐらす先生が奇妙
な語りを始める。
「人が死ぬ確率ってのはいつだってあるもんだぁな」
「そいつはどういう意味ですかい?」
 とは、ぼぶ。一番前の席だから先生に質問もしやすいが、悪い事もできねえってんでこの位置だ。


22 名前:No.6 じょにぃとぼぶと、だぐらす先生2/5 ◇LBPyCcG946 投稿日:2008/06/01(日) 22:07:32 [ 52IXChw. ]
「いやなに、例えば道を歩いてるんでも、一つ角を曲がった時に、突然日本車に突っ込まれて死ぬって事も有
り得る訳だ。そうだろ? ぼぶ」
「日本車はやたらと静かですからね。あいつら、俺達あめりか人を殺す為に静かにしてるんじゃないかと思い
まさぁ」
「んな事ぁあるめえ。まあとにかく、いつだって死ぬ可能性ってのはあるもんだ」
「そんな物ですか」
「おう、他にもびるの上から植木鉢が落ちてきて、それに当たっておっ死んじまう可能性だってあらぁな」
 教室中は「まただぐらす先生の訳のわからねえ話が始まったか」という雰囲気。ただ数学の授業よりかはい
くらかましだってんで、みんななんだかんだで耳を傾けてやがる。
「だけどもよ、そんなのは当然確率の低い話。多分、百万に一つもありゃしないわな」
「でしょうねえ」
「だからな、俺がこれからげんこつを振り上げて、それがたまたま人に当たって死んだとしても、そりゃ事故
になるって事だわな。うんそうだ、間違いねえ」
 言い終わるかどうかというところで、じょにぃの後頭部をだぐらす先生の鉄拳が直撃。
「あいてっ!」
「授業中だってんだ、眠りこけてんじゃねえこの馬鹿」
「へ、へえ! すいやせん」
「ったく、罰として今日の昼休み職員室に来やがれ」
「え? そいつぁどういう事ですか?」
「教材を運んでもらうんだよ。お前もだ、ぼぶ」
「ええ!?」
 大げさな声をあげてひっくり返るぼぶ。そりゃそうだ。とばっちりとは正にこの事。時は流れて昼休み。
「やれやれ、お前さんのせいで俺までだぐらす先生に目をつけられちまったじゃねえか」
「いやすまねえな。けどお前さんが起さなかったのも悪いんだぜ」
「何をぅ?」
「いやいや本当にすまなかった。悪いのは俺だ。ほんの冗談だよ。あめりかんじょーくって奴だ」
 職員室に着き、先生の机に着たものの当の本人はいない。きちんと整理整頓された机で、だぐらす先生の人
となりがよく出てるってもんだ。
「おいじょにぃ、こいつを見てみろ」


23 名前:No.6 じょにぃとぼぶと、だぐらす先生3/5 ◇LBPyCcG946 投稿日:2008/06/01(日) 22:08:22 [ 52IXChw. ]
「お、なんだそりゃぁ、変な形の置物だなぁ」
 ちんちくりんな顔した動物とも人間ともつかない置物。それをぺたぺたと触るじょん。
「あんまり触って壊すなよじょにぃ。っておい」
 案の定、ぶっ壊しちまいやがった。置物の手みたいな部分が見事に欠けてら。
「やっちまったよぼぶ。どうしてくれるんでぇ」
「俺のせいかよじょにぃ」
 そこに何も知らねえだぐらす先生がやってくる。慌ててじょにぃは手に持った像の手の部分をその置物にぴ
ったりとくっつけ、さりげなく手で支えてはみるが至って不自然。
「おう、きたかお前ら。お前らに運んで欲しいのはこれだ。おいじょにぃ、その置物から手を離さねえか」
「いえ、その、だぐらす先生」
「とっととその汚ねえ手をどかしやがれ」
「は、はぁ、えっと、その」
 しどろもどろのじょにぃ、不審に思ってか、だぐらす先生。
「おいじょにぃ、まさか壊したって事はねえやな?」
「いや、そんな、まさか」
「だったら早くこの荷物を運びやがれってんだ」
「ところでぼぶ先生、この像は素晴らしい物でございますねえ」
 助け舟を出したのはぼぶ。冷や汗たらたらだ。
「おう、当たり前よ」
「お借りしたいんでございやすよ、その……資料、そう! 資料としてね」
「ああ、そうです。美術の授業で像を作っている最中でして」
「本当に素晴らしい像でございやすから」
 口裏を合わせるのに必死な二人。
「うーん、そんなにこの像が良いってか?」
「ええ、それはもう」
「それはうちの娘が作ってくれた像なんだがなぁ」
 二人はひやり。確か娘さんの年齢は、四歳とかその程度だったはずだ。
「よし、良いだろう。俺も男だ貸してやらぁ。その代わり、壊しでもしたらタダじゃすまさねえぞ」
「あ、あ、そりゃあもう! 大丈夫でごじあますよ」


24 名前:No.6 じょにぃとぼぶと、だぐらす先生4/5 ◇LBPyCcG946 投稿日:2008/06/01(日) 22:08:57 [ 52IXChw. ]
 台詞も噛み噛みになりながら、逃げるように像と資料を持って職員室を後にする二人。それを見てだぐらす
先生はこう呟いた。
「おかしな奴らだな。しかし、もしかしたらうちの娘に芸術の才能があるかもしれねえな。いや、そうに違い
ねえ。こいつぁ将来が楽しみだ」
 場所は変わって美術室。時は放課後、大抵の奴らはもう帰っちまったが、じょにぃとぼぶはそうはいかない。
「さて、どうするよじょにぃ」
「直すしかあるめえ。接着剤は無いか」
「あったあったこれだ」
 取り出したるは強力瞬間接着剤。不器用なこの二人に持たせていいものやら。
「さあくっつけるぜ、じょにぃ、押さえてろ」
 手の部分に接着剤をくっつけて、ごちゃごちゃと格闘する事一時間、その結果は見るも無残な姿。腕や足と
思わしき物は全てもげた挙句、頭の部分も胴体から完全に離れ、元から可笑しな像がますますおかしくなって
いやがる。
「もうどうしようもないぞじょにぃ。素直に謝ろうや」
「ぼぶ、お前も一緒に謝ってくれるのか?」
「そいつぁごめんだね」
 がらがらがらがら、突然美術室のどあが開き、そこにいたのは他の誰でもなくだぐらす先生。
「どどどどどどどうしたんですかだぐらす先生、美術室なんかに何かご用で?」
「いや用って程の用でもねえが、お前らに貸した像を返してもらおうと思ってな」
「いやその、できたらもう少し貸しておいてもらいたい所なんですが」
「何を言ってやがる。大事な大事な愛娘の作品だぞ、お前らなんかにそう長く貸してられるかってんだ」
「は、はぁ。ごもっともで」
「さて、そこをどきやがれ。何を隠していやがるんだ」
 もう誤魔化せない、絶対絶命、どうなる二人。だぐらす先生のおっかねえ面を見て、渋々どく二人。
「お、お、どういう事だこいつぁ!?」
「こいつが壊しちまったんです」
 と言ったのはじょにぃ。ぼぶを指差してやがる。
「おい冗談じゃねえぞじょにぃ。元はといえばお前さんがだな……」
「言い争いはやめねえか、みっともねえぞ」


25 名前:No.6 じょにぃとぼぶと、だぐらす先生5/5 ◇LBPyCcG946 投稿日:2008/06/01(日) 22:09:39 [ 52IXChw. ]
 だぐらす先生に一喝され、黙る二人。激昂するかと思いきや、意外にもだぐらす先生は落ち着いた様子。た
め息混じりにこう言った。
「お前ら、そこで待ってろ」
 だぐらす先生が美術室から出ていった。残された二人はほっと一息。生きては帰れないだろうと思っていた
からだが、その予感は結局的中しちまう。数分後、戻ってきただぐらす先生の手には黒光りするしょっとがん
が握られていたときたものだから、さあ大変。
「わ、わ、やめてください先生。後生だ」
「勘弁してくだせえ、この通りだ。すいやせんでした」
 ひたすら謝る二人に、先生は笑顔でこう答える。
「お前らは絶対ゆるさねえよ。その像、誰か分かるか?」
「へ? いや分かりませんが……」
「その像はな、わしだよ。娘が『わたしのおとうさん』って題名で作ってくれた像なんだ」
 今となってはばらばらの像だったが、元々似ても似つかないんだからどうしようもない。
「お前らもその像みてえにばらばらにしてやらぁ」
「ちょっと待ってくだせえよ、だぐらす先生」と前に出たぼぶ。
「ここを見てくだせえ」
 手に持ったのは像の頭の部分、口元に明らかに髭が生えているように見える。
「だぐらす先生は髭を伸ばした事なんか無いでございやしょう?」
「それもそうだが……だから何だってんだ」
「それにどことなく、この像の肌の色も黒い。これはつまりだぐらす先生の奥さんが浮気してるって事でさぁ。
娘さんと奥さんだけが知ってるって事でございやすよ」
 ぼぶの台詞に頷き答えるだぐらす先生。
「今まで気にしてなかったが、確かに似てないな、だがどうしてお前にそんな事まで分かるってんだ」
「そりゃ奥さんの浮気相手が俺だからに決まってるでございやしょう」
「馬鹿な事を言うな! 一体いつから浮気してたってんだ? 有り得ねえ!」
「そんな事まで言い出したら、そもそもこんな言葉遣いのあめりか人がいるはず無いでしょう」
 それを言っちゃあおしめえよ。





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